非結核性抗酸菌症とは
人に伝染さない
非結核性抗酸菌症は「抗酸菌で結核に非ず」と書いてありますとおり、抗酸菌と呼ばれる菌の一種です。
抗酸菌の代表は結核ですが、結核と異なり人に感染させる可能性はありません。
女性に多い感染症
土と水が大好きな菌でシャワーヘッド、循環風呂の機械の中、ガーデングや草むしりで触れる土の中にいる日常生活で触れる可能性の高い菌です。
わが国で多いのが、Mycobacterium Avium Complex による感染症で最近わが国の女性に急増しています。
色々な呼び名がある
非結核性抗酸菌症(NTM)、抗酸菌、MAC症など色々な呼ばれ方をします。厳密に言うと下図のようになり違います。
しかし、非結核性抗酸菌のことを抗酸菌と呼ぶ医者も多くありません。大事なことは結核のような人に伝染す病気なのかそうでないのかをしっかり知っておく必要があります。
非結核性抗酸菌症の治療
非結核性抗酸菌症は治療しにくい感染症
治療しにくいと言われるのはいくつかの理由があります。
①診断しにくい
非結核性抗酸菌の診断は2回以上喀痰検査で同じ菌が検出しないと診断に至りません。
何度も痰の検査をしても診断に至らない方の場合は気管支鏡検査が必要になる可能性があります。
②結核と似た治療
結核と同じ抗酸菌のグループなので使う抗菌薬の種類は抗結核薬に分類される薬を使います。
そのため薬のアレルギーや肝機能障害・視神経障害など重篤な副作用が出る方も多いです。
③治療期間が長い
厳密な治療期間が決まっているわけではありませんが、再燃も多いため年単位の治療になることが多いです。
根気強く治療していく
治療しにくい感染症と聞くとびっくりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
治療の必要性や期間は人それぞれです。軽症な方はCTを含めた画像フォローのみで対応することもあります。
当院ではCT検査まで行うことができますので定期的なフォロー含めて大学病院などの大きな病院に行かなくても対応可能です。
治療が難渋する場合、もしくは専門病院のセカンドオピニオンを受けてみたいなどご希望があれば適切な医療機関もご紹介いたします。